おまけ【きみが星に届くまで あとがき】

お読みいただきありがとうございます。

こういう内容の絵本的な何かを描きたいなあという想いだけは結構…3年くらい前…からあり、今回よいしょと重い腰をあげて刊行に至ったわけなのですが、その刊行に至った理由というのが「コミケ申し込み時点でワンチャン横浜が逆転優勝する可能性があったから」でした(ちょうど本拠地連勝が続いていた時期だと思います)。本当は「優勝したから」をトリガーにしたかった。その方がエモいから。とはいえ、2022年、冷静に考えればまだまだ遠い距離ではありましたが、伸ばした手の向こう側に今までより確実に強い星灯りが見えたのは確かで、じゃあ、今だ、と。何かに強く背を押されたような感覚を信じるべきだ、となったわけです。

内容の話をします。

作中、暗い水底に「ここには何もない」と書いてしまって良いものか、というのは最後かなりギリギリまで悩みました。当時(暗黒時代)の横浜を識っている方は解ると思うのですが、実際「何もない」なんてことはなく、そこには「首位打者」も居たし、「HR王」も居ました。あとなんか…背の高い左腕Pとかも…居ました。だからこそ「(諸々の穴を埋めれば)来年はもうちょっと行けるかも知れない」という希望を持っては叩き落されて「やっぱり神様なんて居なかったね」と5位と6位の境目のガラス越しに手を振る毎年だったわけです。今考えると真っ暗闇の中で目先の1勝しか見えない視界なのに来年の希望を見ようとしている時点で色々アレだと思うのですが、それでも、横浜を応援することは楽しかったのです。

ところでこの水底の見開きページ、夜光塗料で星を描いておいてノベルティにブラックライトを付けて、照らせば浮かび上がるような仕様にしたくて検討をしたのですが、予算的にも通販時のセット組的にもなかなか厳しく、いつか都合がつけば違う形でこういうギミックはつけてみたいなと思っています。

今回、絵本という形式も初めてであれば、オールキャラではない「横浜」単体の本を出したのも初めてで、そもそも「ギャグ漫画ではない本」を出したのも初めての初めて尽くしの本なのでもうテンションの持っていき方も締め方も刷る部数も解らないという五里霧中っぷりなので現時点でも不安しかありません。「でもなんか…絵本……描きてぇ~~…」となったので描きました。「読みてぇ~」となった時にまた時々読んでもらえたら幸いです。

以上となります。

またどこかで。